■プロフィール

【コラムニスト】
Satoshi KOBAYASHI

  • 1974年千葉県生まれ
  • 日本大学理工学部卒
  • 北海道の牧場(コアレススタッド)で5年勤務ののちフランスへ渡る
  • J.ハモンド厩舎(3年・1年間ヘッドラッド)
  • R.ギブソン厩舎(2年、アシスタントトレーナー)
  • 2006年9月よりM.デルザングル厩舎
  • 2008年7月日本人初のフランスギャロ調教師になる。

フランス調教師試験

[2008.08.12]

Paris Turf紙・8月13日 - フランス調教師試験

Paris Turf紙・8月13日

フランスへ来て早いもので今年で7年目、数年前から抱いたフランスで調教師になろうという夢の第一歩、フランスギャロの調教師試験に挑戦しました。
試験は1ヶ月の研修と3日間の試験で行われます。

フランスには調教師のカテゴリーが複数あります。例えば複数のオーナーを持てる非専属調教師、一人だけのオーナーしか持てない専属調教師、調教免許等があって、私は非専属調教師を受けたわけですが、これは厩舎の経営まで求められる一番難しいカテゴリーになります。

研修は朝9時から17時までの授業があり、社会・会計・税務・保険・競馬規定・衛生・馬学等、多岐にわたります。
授業は当然フランス語なのでしんどいものがありました。5か月ほど前から少しづつ準備していたので馬学・競馬規定などは授業の理解はそれほど難しくなかったのですが、税務や社会は相当難しく半分くらいしか理解できなかった感じです・・・

それから研修中に向こう3年の経営計画を作らなくてはいけないのですが、これまた飼料から預託料、給料、税金など、果ては電話代からガソリン代まで、考えられるありとあらゆる収入と支出を全て書き出し計算します。それで厩舎経営が軌道に乗るかどうかを見るわけです。これがまた大変でそれこそ朝9時から授業が終わった後も残って夜7時まで計算機を叩きっぱなしの日も数日ありました。

最後の週には大学の試験勉強以来の猛勉強で、睡眠不足とあせりもあって少し精神的にもまいった感じです。なにしろ馬の部位をフランス語で覚えて、それを説明できるようにしなくてはいけないのですから。今年、非専属調教師を受けたのは私を含めて6人だったのですが、他の人たちもさすがに最終週は疲れとあせりが見えてました。

さて試験1日目は馬学、馬の健康・衛生、競馬規定、会計(給料明細を一人分作るんです)の筆記で、いくらかミスをしたのとわからない問題がありましたが、合格点には届いたかなという手ごたえ。試験は20点満点で各科目で10点以上をとらないとその時点で不合格になるのです。

2日目が難関。研修の初めにあらかじめ馬学と競馬規定について40問ほどが与えられているのですが、試験当日にくじ引きをしてその中から4つのテーマについて、フランスギャロの獣医を含めた7人の試験官の前で説明しなくてはいけないのです。答えにくい問題も含まれているので、良い問題を引くという運も少し関わってきます。
この日は昨年不合格になった人や専属調教師を受験する人もいて、全員で10人。試験は一人30分強くらい。
朝9時から始まった試験ですが、私は順番が最後だったのでお昼休みを挟んで午後4時ごろになりました。

順番を待っている時、全員が全員そわそわして歩いてみたり、座ってみたり、たばこを吸いに外に出たりと、まるで子供が生まれる時、病院で待っている父親のようでした(笑)。
かくいう私も昼ごはんが終わったころまで、かなり緊張していたのですが、その後眠気と疲れで逆に緊張が取れて、自分でも不思議なくらいリラックスして試験に挑めたのです。
が、私の引いた問題はなかなかの難問…
正直「これは落ちるかも…」と思いました。

でもなんとか13点を取って合格!
この日は10人中5人が合格でした…

3日目はこれまた以前に不合格だった人がいて全員で14人。
この日は計算をした経営計画を持ってフランスギャロの委員等8人の前で志望動機から開業計画、向こう3年の経営についてを説明しなくてはいけません。
しかも午前中は5人中1人しか受からないという事態… 午後になっても私は10番目だったのですが、私の前は2人目の合格者が出ただけ…

そして私の番。
事前に用意した文章を読んで説明が終わる頃、一番難しい試験官がこの授業の担当だった先生に

「彼は他の人と一緒の時間でこれをやったの?」(私が日本人だから言ったのだと思います)
「うい」
「細かいところまでとても良くできてるし、私からは質問はないね」

!!!?

普通かなり難しい質問が飛んできて苦しめられるのですが、それもなく合格でした!

その後筆記の結果は数週間待ったのですが、これも及第点で晴れてフランスの調教師試験に合格しました!
調教師への第一歩に過ぎないのですが、一つの形になったことに感無量です…

でもこれからが本番。試験よりもずっと大変なのはこれから。
開業は2009年末を目指していますが、

まずは開業。
そして初勝利。
小さなことを積み重ねて、5着で終わる馬を4着へ。1つしか勝てない馬を2つ勝てるように。

私の挑戦はまだ始まったばかりですが、一所懸命頑張っていきますので、どうぞ皆様応援のほどよろしくお願い致します。

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おめでとうございます!(KOBARN)

2008-08-16 12:04:16

KOBAYASHIさん。試験合格おめでとうございます。
確かにこれからが本番なのでしょうが、試験通過しないことにはチャンスさえなしの難関突破!素晴らしいです。
頑張ってまずは1勝。その後無事に各馬の100%を引き出す銘調教師になってください!
また、更新楽しみにしています。

horsejapan.tvをお楽しみの皆様(horsejapan スタッフ)

いつもご覧になっていただき本当にありがとうございます。

当コラム担当の小林師への沢山のお祝い、並びに励ましのお言葉、深く感謝いたします。

ここでお願いがございます。

ここ最近小林師へのお祝いと同時に
「具体的な質問」が多くなってきております。

先日、違う機会ににも書かせていただきましたが

「具体的な質問」は控えていただけませんでしょうか・・
本当に申し訳ございません。

このコラムは小林師の多大な好意により、無償でUPしているものです。

調教師試験の忙しいさなかにも、いくつかの質問の件に関し

「ほんとうは全ての質問にお答えしたいのですが本来の仕事もありますので、ヤムナク失礼したいと思います。
投稿者の方にはクレグレもよろしくお伝えください」との事でした。

海外の競馬事情はなかなか今の時代にあっても、詳細など知る事は厳しいものが有りますので、皆様のお気持ちはスタッフ一同痛いほどお察しいたします。

正直このhorsjapanは資金力にも乏しく動画コンテンツはじめ、協力してくれている全てのhorsemanに趣旨を理解していただき「無償協力」していただいた上で成り立っています。

どうか上記ご理解のうえ末永いご愛顧をお願い致します。

馬・競走馬・競馬を愛する方々と一層楽しめるサイトを目指し頑張っていきますので何卒宜しくお願い致します。

夢の始まり(緑の羽)

2008-08-22 17:17:39

はじめして。今日、8月22日の日刊スポーツで、やっと、調教師の資格を取得した、小林さんのことが掲載されました(メイショウサムソン遠征つながりで)。おめでとうございます。
私は、イスラム教信者ではありませんが、アガ・カーン殿下の所有馬ファンです。なので、3月21日に、小林さんのブログを見つけたときは、本当に嬉しかったです。
馬産地、騎手、感じたことなどの情報を教えてほしいです。
日本にいると何にも情報が入ってこないので(○○賞は、○○が勝ちましたという結果だけ)、小林さんには、勉強、調教師という大変な仕事をしながら、フランス共和国競馬の電波塔となって、ブログを更新していってほしいと思います。フランス競馬を楽しんでください。

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